- 筆箱の中が、高確率でからっぽ
- 学校で配られた大事なプリントを、どこかでなくしている
- 参観日の後に、子どもの机の中を整理することが当たり前
クラスに必ず一定数いる、お道具箱がパンドラの箱状態の子ども。何度言っても、整理整頓できない子が多いです。
私は、小学校と特別支援学級で10年間働くことで、子どもが自然と整理整頓を心掛ける仕組みを考えることができました。しかし、その10年の間、何度も失敗して、色々な方法を模索してきました。
そこでこの記事では、1年生の子でも、身の回りの整理を最低限できるような仕組みを解説します。
この記事を読めば、「1年生の子が自分で持ち物の整理をするために必要なサポート」が全てわかります。
お道具箱を1人で整理できるための鉄則
持ち物を最小限に
子どもが持ち帰ってきたお道具箱を見ると、色々なものが入っていませんか。
折り紙、イラスト、どんぐり、よく分からないプリント・・・
実はこれ、原因は子どもだけではありません。
担任の先生の責任でもあるんです。
担任している私もよく
「このプリント、一旦お道具箱にしまっておいてね。」
と多用していました。
仮置き場として、よくお道具箱が利用されてしまうので、一番散らかってしまうのは仕方のないことなのです。
そのためには、持ち物を最小限にしておきましょう。
- はさみ
- のり
- 色鉛筆
- おりがみ
学校によって、ホッチキスやセロテープを指定される場合もありますが、極力持ち物の数を減らしでください。
持ち物の場所を決める
実は、これが一番需要です!
散らかるのみならず、紛失する子。
パッと見て、何かが足りていないと一目瞭然にするために、それぞれの持ち物の場所を設けてあげましょう。
ダイソーで購入した整理トレーで各々の小部屋を設けました。
ADHD傾向のお子さんは特に、整理整頓が苦手な子が多いです。
必要な時に、出せなくて困っている場面を何度見たことか。
「片付けなさい!」
「きれいに整理整頓しなさい!」
彼らに、このような指示は、全く無意味です。
「片付けなさい!」 ・・・何を?
「きれいに整理整頓しなさい!」 ・・・きれいに?整理整頓?
具体的な指示でないと、彼らに気づかせることはできません。
「何を」、「どこに」、「おくのか」明確に。
仕組み作りは肝心です。
仕組みができれば、どんな子でもできます。
持ち物の場所に名前をつける
文字が読める子であれば、簡単なシールで記名しておくだけで問題ありません。
文字を読むのが苦手な子には、目で見て分かるようにすることがオススメです。
写真で撮ったものをお道具箱の下に貼り付けておくと、どこに何をしまうのか一目瞭然で片付けやすいです。
あると便利な、置きっぱなしファイル
普通学級の担任をしていた際には、お道具箱の下に「1年間置きっ放しファイル」を使っていました。
毎月の振り返りプリント、タブレットのパスワード関係プリントや、仮置きのプリント類は、このファイルの中に入れてお道具箱の下に保管させていました。
全員同じ柄のファイルを使用していたこともあり、間違って持って帰ることもなく1年間机の中に保管することができていました。
このような仕組みがなければ、お家の人とお子さんで「1年間置きっ放しファイル」を作ってしまいましょう。
薄いファイル1枚でも、効果は絶大です。
お道具箱の奥で、紙がグシャグシャに丸まっていることが激減するはずです。
いつでも、勉強できる中身の筆箱
持ち物を最小限に
1年生の時は、本当によく消しゴムをなくします。
「最近買ったばかりなのに」
と悩んでいるお家の方も多いのではないでしょうか。
そして、お勉強がしんどい子、生活力が乏しい子は特に筆箱の中が揃っていないことが多いです。
消しゴムがなかったり、鉛筆が少なかったり、短かったりと。
小学生にとって筆箱は、勝負道具です。
必ず中身は完璧に整えましょう。
そして、これもお道具箱と同様、持ち物は最小限にしましょう。
- 鉛筆 5本
- 赤鉛筆
- 消しゴム
- ネームペン
- 定規
は必ず入れておきましょう。
あと、最初は箱型の筆箱がオススメです。
中学年あたりから自由になる学校もありますが、筆箱の中身を整理できる子はいいとおもます。
しかし、整理する習慣がない子が使うと、筆箱の中に鉛筆がないという現象が何度もおこるのでオススメはできません。
持ち物の場所に名前をつける
筆箱の中の管理は意外に難しいです。
鉛筆の数、鉛筆類の長さ、消しゴムの大きさ、毎日削る。
習慣化してしまえば、楽ちんですが、習慣化することが難しい。
そのため、パッと見える化にしてしまします。
以前担任した子で、私が毎朝声を掛けて、筆箱の中身を確認して一緒に削っていた子がいました。
1週間続けてできるようになったので、不定期チェックに変えて様子を見てみました。
すると、全然できないんです。
毎回、チェックした次の日は完璧にしてくるんですが、これが継続しないんです。
家庭の協力も得にくいお子さんだったため、彼自身がしっかりできるように仕組み作りをしました。
その際に効果的だったのが、筆箱ラミネートです。
鉛筆の下に隠れているはずのキャラクターや、印が見えるといけないよと伝えることで、自分で管理ができるようになりました。
なくし物をしても、その時に探すことができるような習慣も身につきはじめました。
鉛筆の下から、印が見えてきたら、長い鉛筆と替えるタイミングだと気づくことができるようにもなりました。
お家で簡単に作成できるように、シールでもいいと思います。
誰が見ても、パッと一目で見える化をすると、どんな子も動き出します。
大事なプリントを必ず持って帰る仕組みファイル
大人になった私たちをも悩ます忘れ物。
もうこれは、人間である以上、どうしようもないように思います。
しかし、学校からの重要なお便りを貰い損ねたり、提出したはずのプリントが未提出だったりすると、お家の人としては困ってしまいますよね。
お子さんのレベルに合わせて2パターンを紹介します。
お家の人の協力必須! 全突っ込みファイル
低学年やADHD傾向のお子さんは、こちらから始めるのがオススメです。
ファスナー付きのファイルを利用することで、乱暴に扱っても、落ちたりなくしたりすることがなくなります。
不安な子は、とりあえず宿題に使用するノートや教科書も全突っ込みで利用しています。
そして、そのファイルにメモやチェックリストを入れておくことで確認する習慣をつけさせておくことができます。
必要なものは、ファイルに入れて登校することで忘れ物がなくなります。
学校で提出する際は、ファイルの中に入っているプリントを全部出すことで完了です。
ここで、提出するものリストとして、お家の方がメモ書きを挟んでおくと、お子さんが確認できます。
下校の際は、配られたプリント類、毎日使う本読みカード、国語の教科書、計算漢字ドリル類を全て突っ込んで帰ることで完了です。
持ち帰ってきたものの仕分けは、お家の人と一緒にすることで少しずつ判断できるようになってきます。
ちなみに、そのファイル自体も忘れてくる強者がもちろんいますよね。
その場合は、紐でつないでしまいます。
何をチェックしたらいいのか分からない子には、毎日確認する項目として、メモを貼り付けていました。
毎日同じものを入れて、紐につなげて下校するだけなので忘れにくくなります。
お家の人の協力半減 2つ分けファイル
ファイルの中を整理する習慣を身につける準備段階としてオススメです。
シンプルに
①学校に持っていくプリント
②家に持って帰るプリント
の二つに分けます。
宿題や提出するプリント類は、右側のファイルポケットに入れます。
下校の際は、右側を空っぽにして帰ってくることを約束しましょう。
家に持って帰るプリント類は、左側のファイルポケットに入れます。
登校の際は、左側を空っぽにして登校することを約束しましょう。
そして、このファイルに入りにくい漢字や計算ノート類は、レベル1で使用した連絡袋に入れておくことで仕分け完了です。
整理の習慣がない子は、このように習慣化してしまうことで、整理習慣が身につきます。
ADHD傾向のお子さんは、このような仕組みづくりが欠かせません、
苦手分野は固定化、見える化することで、特性と付き合っていくことが欠かせません。
発達がゆっくりな子を育てることは本当に大変です。
周りと比較してしまったり、感情的になった自分に罪悪感を感じてしまったり。
そんな苦しい毎日の中で1つでも、夜眠りにつく前に
「これを頑張った」
「今日も自分、1日お疲れ様」
そう思える毎日にしていきましょう。
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